「絵を描いているとやり残した「宿題」のことを思い出します。その「宿題」はいつまで
たっても終わらないのです。本当のところ私は絵とは何か知らないのです。
はじめに絵があるのではありません。モノがあり、私はそれらに働きかけるのです。
絵というものがあるとすればそれは、私のこうした行為を統合するものだと考えられるのです。
いつ「完成」するか?どうやって「接近」するか?私は常に探求の中にあります。
まるで探求そのものが目的であるかのようです。描いている過程で少し見えてくるものが
あります。が、いつの間にかそれは消え去ってしまいます。そして何度も往復するのです。
はやく「宿題」を終えてしまいたい気分なのですがなかなかうまくはいきません。」辻政博氏。
|